子どもの似顔絵を描くこと

子どもは本当に表情が豊か。描いていると、いつの間にかこちらまで笑顔になってしまいます。
顔の輪郭や鼻、目、口のかたち——。
ひとつひとつを観察していくと、それぞれの個性が光り、
「なんて可愛いんだろう」「この瞬間を残したいな」と、胸がいっぱいになります。
わが子は当時、小規模保育園に通っていてクラスは12人。
赤ちゃんのころからずっと一緒に育ってきたその12人の絆は、とても深いものでした。
子どもなりに互いを理解し、支え合っているように見える瞬間もあって。
最後の園児祭では、劇を演じたり、合唱したりする姿が本当に立派で、5歳とは思えないほどの成長を感じました。
このイラストは、ある日の出来事がきっかけで生まれたものです。
大学で物理を教えているパパさんからお声がけいただき、保育園でスライムづくりなどの科学ワークショップを開催したとき、一緒に「寒天の不思議」についての紙芝居を作りました。
物語の最後には、“仲間で力を合わせると、すごいパワーが生まれるんだ”というメッセージを込めています。
その想いを形にしたこのイラストは、なかなか特徴をとらえられたのでは…?と、密かに自負しています。
そしてもう一枚。
ライン画のイラストは、下の子の卒園前に、集合写真をもとに描いた塗り絵イラスト。

みんなの顔を並べながら塗り絵をつくっていると、一緒に過ごした日々がよみがえりこっそり涙がこぼれました。
あの頃の笑顔や、日々の小さな出来事のすべてが、いまも私の絵の原点になっています。
子どもを描く時間は、観察するほどに愛おしさが増す時間。
成長の一瞬一瞬を、これからも大切に描きとめていきたいと思います。