好きなデザインと好かれるデザイン
どちらを選ぶべき?

漢方薬局さまのHP掲載イラストより
事業主の皆さまへ。
自身の好きなデザインと、お客さまに好かれるデザイン。どちらか一つを選ぶ必要はありません。
自分の「好き」は、事業を続けていくための大切な軸になります。一方で、お客さまに好かれることは、事業を選ばれ続けるために欠かせません。
大切なのは、どちらかを諦めることではなく、その二つの距離を少しずつ近づけていくことだと思います。
「私はこのデザインが好き。でも、お客さまには別のデザインの方が好まれそう」
以前、クライアントさまにこんなご相談を受けたことがあります。
事業を続けていると、そんな悩みに出会うことがあります。自分が好きな世界観を大切にしたい。でも、自分の好みだけを優先して、本当にお客さまに届くのだろうか。反対に、お客さまに好かれるものばかりを選んでいると、だんだん自分らしさがなくなってしまうような気もする。
では、自分の好きなデザインと、お客さまに好かれるデザインが違うと感じたとき、どちらを選べばいいのでしょうか。
私は、どちらか一つを選ぶ必要はないと思っています。
自分の「好き」は、事業を続けていくための軸になる
自分が好きだと思えるものには、理由があります。
色が好き。
写真の雰囲気が好き。
文字の形が好き。
シンプルな世界観が好き。
にぎやかで楽しい表現が好き。
そうした「好き」の中には、その人自身が大切にしている価値観が含まれていることが多々あります。そして、その価値観は事業を続けていく上でも、とても大切なものだと思います。もし、自分がまったく好きではない世界観ばかりを選び続けていたらどうでしょうか。
最初はお客さまに合わせるためだと思っていても、次第に違和感が生まれてくるかもしれません。「本当は、こういうことをやりたいわけではない」「自分の事業なのに、自分らしくない」
そんな状態では、長く続けていくことが難しくなることもあります。
だからこそ、自分の「好き」という感覚は、決して無視してはいけないものだと思っています。
自分の好きなデザインは、事業を続けていくための大切な軸になるものです。
一方で、お客様に好かれることも事業には必要
ただし、自分の好きだけでデザインを決めればいいとも思いません。事業には、必ず届けたい相手がいます。どんなに自分が好きなデザインでも、来てほしいですお客さまが興味を持てなかったり、伝えたいことが伝わらなかったりすれば、本来の目的を果たすことは難しくなります。
デザインは、自分のためだけにつくるものではありません。誰かに見てもらい、知ってもらい、興味を持ってもらうための手段。だからこそ、
「お客さまはこの世界観をどう感じるだろう」
「この見せ方に興味を持ってもらえるだろうか」
「伝えたいことがきちんと届くだろうか」
という視点も必要になります。
お客さまに好かれるデザインは、事業を選んでもらい、続けていくためにとても大切なものです。
どちらかを選ぶのではなく、二つの軸を持つ
ここで大切なのは、自分の好きと、お客さまに好かれるものを対立させないことだと思います。
どちらかを選ぶのではなく、二つとも大切な軸として持っておく。
自分の好きな世界観を知る。
同時に、お客さまがどんなものに興味を持つのかを知る。
そして、その二つが重なる場所を少しずつ探していく。
最初からぴったり重なる必要はありません。むしろ、最初は少し離れていてもいいと思います。自分が好きなデザインと、お客さまに好かれるデザイン。この二つを別々に集めてみるのも一つの方法です。
それぞれ集めてみたものを並べて見てみる。
共通している部分を探してみる。
少し違う部分を見つけてみる。
そうすることで、「自分はこういう雰囲気が好きだけれど、お客さまにはこの要素も必要なのかもしれない」「この色は自分らしいけれど、もう少し親しみやすい表現にしてみよう」そんな新しい発見が生まれることがあります。
二つの距離を少しずつ近づけていく
私は、自分の好きなデザインと、お客さまに好かれるデザインは、最初から一致していなくてもいいと思っています。大切なのは、その二つの距離を少しずつ近づけていくこと。自分の好きなものだけを見るのではなく、お客さまの反応も見る。お客さまに合わせるだけではなく、自分が本当に大切にしたいことも忘れない。この二つの軸を持ちながら事業を続けていくことで、少しずつ、
「これが自分らしい」
「そして、お客さまにも受け入れてもらえる」
そんな場所が見つかっていくのではないでしょうか。
事業のデザインに、たった一つの正解があるわけではありません。
だからこそ、自分の好きも大切にする。
そして、お客さまの気持ちも大切にする。
その両方を持ちながら、自分の事業にとって一番心地よい場所を探していく。
それが、自分らしい事業をつくっていくことにつながるのだと思います。
好きなものを諦めなくていい
「お客さまに合わせなければいけないから」と、自分の好きなものをすべて諦める必要はありません。一方で、「自分が好きだから」という理由だけで、お客さまの存在を置き去りにする必要もありません。
どちらかを捨てるのではなく、両方を大切にする。そして、その二つの接点を少しずつ増やしていく。
自分の好きなデザインは、事業を続けていくための軸になるもの。
お客さまに好かれるデザインは、事業を選ばれ続けるために必要なもの。
だからこそ、どちらも大切です。
もし今、自分の好きなものと、お客さまに好かれるものの間で悩んでいるなら、どちらかを選ぼうとするのではなく、まずは両方を並べてみてください。その間にある距離を、少しずつ近づけていく。そこに、自分にもお客さまにも心地よい、あなたらしい表現が見つかるかもしれません。